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​兜町裏通り話

特別特集   バチカン銀行の闇  後半

前回書いたバチカン銀行(宗教事業協会)は、紙面の関係でかなり凝縮したため「書くべき重要事実」がかなり残ってしまった。そこで改めて後半を書くことにする。

 バチカン銀行は正式な銀行ではなく、株式も公開しておらず、本コーナーで取り上げる対象としては不適当かもしれない。しかし一方で情報公開も(銀行だとしても)各種規制からも最も遠い存在であるバチカン銀行の「正体」に少しでも近づいておくことは、世界全体の政治・金融の理解に役立つはずである。もちろん陰謀論には全く与していない。

 バチカン銀行(宗教事業協会)とは、先週も書いたように1929年のラテラノ条約で広大な教皇領を放棄する代償として、「主権国家」「免税特権」「警察、消防など各種公共サービス(イタリア国鉄に接続されるわずか300メートルの線路と駅舎まで含む)」とともに得た9億4000万ドル(先週は現在価値で約1000億円と書いたが、いろいろ再計算すると1500億円くらいになる)の大半を資本として、1942年に教皇ピオ(ピウス)12世が設立させたものである。

 つまりバチカン銀行とは今も「主権国家」にあるため外国機関から捜査されることもなく、情報開示を求められることもなく、さらに「免税特権」まである「夢の金融機関」である。つい最近までマフィアなど反社会組織に利用され、また反共運動やナチス戦犯の逃亡を手助けする資金を提供していたことは前週書いた通りである。また後年は「主権国家」を盾に世界最大のマネーロンダリングを行っていたことも事実である。
 

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